9月だれでも読書会 報告

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だれでも読書会 報告
〇日時:2023.9.27(水)10:15~11:45
〇場所:浦安市立中央図書館1F ワークスペース      〇参加者:10名 
[内容]
1) 本の冒頭の抜き書きでの感想交換:芥川賞受賞作やその他受賞作など
2) 本の紹介(以下紹介された本)
「おおきな森(木を6つ重ねてこう読ませる)」古川日出夫著 講談社 2020.4
3つの物語が交互に出てきて混ざり合っていく物語。汽車のイメージが宮沢賢治のようで、読書の楽しみを感じさせてくれた。
「 事実VS本能 目を背けたいファクトにも理由がある」橘玲著 集英社 2019 読み始めたばかり。視点が変わる。
「人はなぜさみしさに苦しむのか」中野信子著 アズコム 2023.8 「さみしさ」について生物としての種の保存のため、と、社会学的な視点から論じている。
「私小説」水村 美苗著 新潮社 1995 著者は12歳でアメリカに移住20年暮らすがアメリカになじめない。表意文字としての日本語や日本の近代小説に親しむが、日本に帰ってくると、そこでもなじめないという自己確立の物語。とても魅力的。
「チンギス記 全17巻」北方謙三著 集英社  2018~2023 北方謙三は「水滸伝」シリーズを読んだが、ストリーテラーで書くのが速い。たぶん史実に基づいてきちんと調べて書いているわけではないだろうが、創作として楽しく読める。
「注文の多い料理店」 宮沢賢治著 1924 杜陵出版部・東京光原社 以降多くの出版社で発売 食べるつもりで入ったレストランに、逆に食べられそうになるという展開。は中国と日本の関係(つられて入っていったら、取り込まれる)も連想した。宮沢家は、岩手に行ってみると名家で、ホテルや店など多方面の事業を広げていて驚いた。
「30代記者たちが出会った戦争 激戦地を歩く」共同通信社会部編 岩波書店 2016 戦争についての聞き書き取材を、あえて30代の記者にやらせることで、戦争の実際を伝えようとした、企画。被害だけでなく、加害体験も、関係者が亡くなったからこそ語り始める人も増えている。だが、戦争の記憶で、伝えられないのは「臭い」だという。
「この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ」井上智介著 WEVE出版 2021
働いていて、自分がダメなせいではないか? と思ってしまったときに救いになった。苦しいのか苦しくないのかは自分が決めるなど、自己決定できることを確認。
「6カ国転校生ナージャの発見」キリーロバ・ナージャ著 集英社インターナショナル 2022 両親の仕事の都合で、小学校から中学校までロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダの地元校に通う体験をしたナージャ。そのたびに、教室の席のレイアウト、筆記用具、指導の基準が全然異なる中で、“ふつう”というのが、ふつうでない体験をすることで、それぞれの価値観を見つけていく。
以上の本が紹介されましたが。この中で水村美苗さんの夫岩井克人さんと面識があり、たまたま南阿佐ヶ谷に住んでいた時に、駅前の書店でご夫婦がいつも山のように本を買ってるのを目撃した、という話や、戦争体験の伝承で子どもたちにも伝えていくことの大切さなど、話題がでました。

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