まるで予言の書! という趣きがあるのが『首都感染』高嶋哲夫著 講談社
WHOで感染予防を専門としていた瀬戸崎は、娘の死をきっかけに離婚し、日本に戻って医師をしている。そのころ、中国では国の威信をかけたワールドカップを開催。全世界が熱狂する中で国内で新型インフルエンザが発生。中国は発生を秘密にしたまま封じ込めようとするが、失敗し世界的なパンデミックスとなる。瀬戸崎は総理大臣である父に依頼し、空港封鎖と隔離を強行。だが、ついに都内で患者が発生すると、8号線ラインで首都封鎖を決行する。まだロックダウンなんて言葉が使われていなかった時だから“封鎖”、でもこれわかりやすい表現ですよね。残念ながら、こんなにきれいな隔離は現状ではできていません。やはり小説だから? でも、パンデミックスとその対策についてのHOW TOはよくわかる。