ディヴィッド・ゴードン著 青木千鶴訳 早川書房 2013.1 978-4151795015

いくつものペンネームで吸血鬼ものやミステリー、ポルノを書いているゴーストライターのハリー。かつての情熱は消えて、恋人のジェインにもあいそをつかされ、高校生の家庭教師まで手を染めた。そこでも生徒のクレアのレポートのゴーストライターとしていいように使われてしまう始末。そんな彼に持ち込まれた連続殺人鬼ダリアンからの依頼。ハリーのポルノのファンで、自分にラブレターをよこす女をたずね、リアルなポルノを書いてくれたら独占手記を書かせてくれるという。一躍本物の作家となるチャンスと思うが、彼が訪問した女性が、かつての連続殺人と、全く同じ手口で次々に殺されていった。犯人は誰? 牢獄のダリアンは無実なのか? 被害者の双子の妹ダニエラと高校生クレアに助けられて調査に乗り出すハリー。意外な犯人や最後のさいごまでのどんでんがえしとともに、本に救われる人間の姿が、読書好きにはズキュンときちゃうかもしれません。