瀬尾まいこ著 筑摩書房 2009 978-4480426260
学生時代バレー部のキャプテンとして清く正しく頑張ってきた清は、試合のミスを注意した翌日に山本さんが自殺してから道を見失ってしまった。なんとなく、高校の国語の講師になり文芸部の担当をおしつけられるが、部員は垣内君1名。本なんてどこがおもしろいの?と思うのに、彼は川端康成に夢中! 先生と生徒が逆転したような垣内君との関係がとてもおもしろい。展望のない不倫のはまり込んでいるが、ひょうひょうとした弟にも支えられ、清は、しだいにバレーボール意外にも世界があったのだと気づいていく。でもこの舞台となる図書館司書の存在がないのが残念。