小田雅久仁著 新潮社 2012.10 978-4-10-319722-5
本と本が交わる幻書が生まれる。幻書は、決して読んではいけない禁断の書だが、今は亡き祖父はその名だたるコレクターであった! 家を埋め尽くすような本の中で育だった家族の歴史。祖父與次郎の祖母との出会いやボルネオでの戦場体験、そして、飛行機事故で死んだ祖父の最後の謎を、その孫が自分の子に向かって語る物語。本が好きでたまらない思いが、奔流のようなジョークを繰り出しながら、深刻な事件を明るく展開していく。若干?というところもあるが、いつのまにか本棚の本が増えていて首をかしげる愛書家にお勧めです。