創立100周年記念知の大冒険 東洋文庫 名品の煌めき展 に行こう!
日時:2024年11月6日(水)10:00~12:00
場所:東洋文庫  参加者13名

概要:当日は約1時間のていねいな解説をしていただき、東洋文庫のなりたちから見どころを説明していただいた。とりわけ興味深かったのは、同館が民間(岩崎家)により開設され、東洋学全般の文献を網羅的に収集するためにモリソン文庫の一括購入の後も、毎年多額の資料を購入。学者からの希望が出れば、海外から高額の資料をオークションで落札(リクエスト提供)し、 その豊富な財力を背景に「学者の天国」といわれるような研究環境を整えていく過程だった。
 モリソン書庫
ただ、この資金については敗戦後、財閥解体により失われる。東洋文庫は国立国会図書館の一部であったと認識していたが、この時代に、研究部門と閲覧部門を分け、閲覧部門を国立国会図書館に委託したとのこと。国が民間に委託するのではなく、民間が国に委託した! という経緯にとても驚いた。そして、体制を整えて完全に民間機関として再スタート。貴重な蔵書は、基本的に閉架書庫で管理しているが、その一端をミュージアムとして公開する今の形になったという。展示解説については、マルコ・ポーロ『東方見聞録』のさまざまなバージョン(最初が手稿で写本で広がり、後に印刷されたため異本が多い)を収集していること、『解体新書』を原書と並べて展示することで、人体図を含めて原典に忠実でありたいと指向したようすなどを解説していただいた。解説は専用の会議室で行われ、その後は自由見学・自由解散という流れとした。

たまたま、割引券を持参してくださった参加者がいて、参加者全員に割引料金を適応していただいたおかげで、200円引き料金となり、200円割引・解説付きとなり、参加者にとってはかなりお得な満足していただける見学となったと思う。友の会のイベントとしても、民間図書館の歴史として、あえて民間を貫いた運営の在り方がとても興味深かった。
 解体新書比較