だれでも読書会報告
〇日時2024.9.18(水)10:15~12:00
〇場所 浦安市立中央図書館1F ワークスペース
〇参加者:4名
紹介された本
『タスキメシ』額賀澪著 小学館 2015 長距離選手だった早馬は、がケガをきっかけに調理実習部の都と出会い、料理に興味を持つ。料理で才能ある弟春馬や仲間を支えようと考え始める。
『タスキメシ 箱根』額賀澪著 小学館 2019 大学業後、いったんは就職した早馬は、弱小・紫峰大学駅伝部のアシスタントコーチとして、千早たち部員たちと箱根駅伝初出場を目指す。
「努力は裏切られる。ここぞという時に裏切られる」というセリフが出てくるが、それにすごくショックと共感を感じた。
『タスキメシ五輪』額賀澪著 小学館2022 箱根駅伝を終えた千早は食品会社に就職。その会社から東京五輪選手村食堂に派遣される。批判されるコロナ下のオリンピック。だが、失敗は許されない。修行していた店がつぶれてしまったために、偶然選手村食堂に就職してきた都と仕事仲間に。ほんの3年前なのに忘れてしまったいろいろなことを思い出した。
『タスキ彼方』額賀澪著 小学館2023 新米駅伝監督成竹と学生ナンバーワンランナーなのに駅伝だけは走ろうとしない神原。ボストンマラソンで偶然託された日本兵の日記は、戦時下に箱根駅伝開催を成し遂げようとした青年のものだった。軍の禁止下でも、走ることを熱望した思いがすごかった。
『命をつないだ路面電車』テア・ランノ著 小学館 2024
児童書だが、イタリアが連合軍に寝返ってドイツに占拠された戦争末期のローマが舞台で、実話を元にした作品。エマヌエーレは12歳のユダヤ人の男の子。ドイツ人に連行された母親を助けようとしてつかまったエマヌエーレを母親は、輸送中のトラックから外に放り出して助けてくれたが、家は危険。とっさに路面電車の車掌に助けを求めると、車掌たちは入れ替わりながら、弁当を分けてくれ、夜は車庫で寝かせ、ドイツ人がくると自分の子どもに見せかけかばってくれる。2日半後に、車内で近所の人に会い、母以外の家族の無事がわかり、家族と再会できる。その後も、飢えないために物売りで稼ぐエマヌエーレだが、ドイツ人でも親切にしてたくさん買ってくれる人など、単純に国だけで良い悪いを分けない素直な少年の視点がとても良かった。日本やドイツは戦時中挙国一致なのに、反ファシズム勢力が活躍する戦時下のイタリアに興味を持った。
『聖の青春』大崎善生著 講談社 2000
東の羽生、西の村山と言われた将棋の天才村山聖が主人公。幼くしてネフローゼを患い療養所でも過ごすなど闘病を続けながら将棋にのめりこんでいき29歳で亡くなった。実在の人物で、羽生さんも登場しているので、将棋には詳しくないがとても面白かった。
『嵐にいななく』L.S.マシューズ作 小学館 2013
嵐によって、家を失ったジャック一家は、新たな生活を開始するため、移住した町で、隣に住む体の弱い少年マイケルや、気が荒いために処分されそうになっていた馬バンとの出会いが待っていた。この
マイケルの日記がはさまれ、最後意外な展開が待っている。この最後の展開のインパクトがとてもおもしろかった。
〇この後、最後が衝撃的だった本の話でもりあがりました!
『方舟』夕木春央著 講談社 2022
地震によって山奥の地下建築に閉じ込められるが、さらに水が流入しはじめる。しかもそこに殺人事件が発生! 途中の推理は平凡だったが、最後がすごかった。
『イニシエーション・ラブ』乾くるみ著 文藝春秋 2007
ただの恋愛小説だと思って読んでいたら、最後まで読んで、思わずもう一度全て読み直した!
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午著 文藝春秋2003
絶対に映像化できない小説だと思う。これも最後まで読んだら、最初に戻って読み直してしまう。
『トムは真夜中の庭で』フィリパ・ピアス作 岩波書店 1980
最後が意外、というよりすばらしい作品。絶対最後まで読んで欲しいけど、薦めても途中で挫折してしまう子が多くて残念だった!