だれでも読書会報告

〇日時:2022.4.13(水)午前10時~11時半

〇場所:浦安市立中央図書館1F ワークスペース

参加者13名(内訳:友の会9名、一般2名、一般で見学のみ2名)

 

今回紹介された本

『台湾人ジャーナリストが見たニッポンのジャズ喫茶』

周靖庭/写真・文 シーディージャーナル 2022.1  978-4-909774-16-3

ジャズのレコードをみんなが真剣に聴き入っているという日本特集のジャズ喫茶文化を語る本。言われてみれば、確かに珍しい文化なの!?

 

『ベルリン1919』クラウス・コルドン作 酒寄進一訳 理論社 2006.2  4-652-0771-8

『ベルリン1933』『ベルリン1945』と続く3部作の1冊目。第一次世界大戦が終わり、平和になったが貧しい暮らしの中で生きていく一家の姿を、それぞれ違う兄弟の視点から描いた劇的な作品。

 

『飛ぶ教室』ケストナー作 高橋健二訳 岩波書店 2007 4-00-115054-9

原作はヒトラーの台頭が始まる1933年にドイツで出版。ケストナーは、ナチスの焚書に会いながらドイツにとどまり続けた作家。ドイツの寄宿舎の少年たちの物語。阿川佐和子さんが昔小学校の図書室で働いていた時に、この本を子どもたちに勧めていたとのこと!

 

『金子みすゞ詩集』 各種出版

現代詩が大好き。わかりやすくて、心に響くところが魅力。

 

『私の命はあなたの命より軽い』近藤史恵著 講談社文庫 講談社 2017.6 978-4-06-293672-9

妊娠したが、夫がドバイに赴任することになった主人公が実家に戻って来た時に不穏な出来事が起こる。

 

『 僕の穴 彼の穴』デイヴィット・カリ著 松尾スズキ訳

千倉書房 2008.12 978-4805109175

穴とは塹壕の穴。戦争で穴に入って互いに対立しているが、最後に穴から出て相手の穴へ手紙を入れ、交流の予感で終わる。ウクライナ進攻がある今のような時期だからこそ、子どもたちに読んでもらいたい。

 

『民王』池井戸潤/著 角川文庫 KADOKAWA 2019.10 978-4-04-108557-8

現在続編『民王 シベリアの陰謀』も出ている。政治家で首相の父親と息子が、ある日と中身が入れ替わってしまうことによるドタバタ。ユーモアがあり、実際の政治家の事件も思わせて楽しめる。

 

『流転の海』宮本輝著 新潮文庫 新潮社 2005.6 4-10-130750-4

全9部作の第1作。 作者は自分より10歳くらい上だが、ここに描かれた戦後の空気の雰囲気を自分も少しは知っているので、作品についていける。映画化もされているが原作の方がおもしろい。

 

『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬著 早川書房 2021.11 978-4-15-210064-1

母親を殺された女の子がスナイパーの養成所に行き、凄腕スナイパーに、という設定から想像できるような展開がいい意味で裏切られて「敵」とは何なのかを考えさせられた。スターリングラード攻防戦のような現代史の知識が乏しかったので、そうした意味でも衝撃。

 

『御乱心 落語協会分裂と、円丈とその弟子たち』三遊亭円丈著

主婦の友社 1986.4 4-07-923928-9

テレビの『笑点』に出てくる落語家たちは「落語協会」「落語芸術家協会」など分かれているが、その分裂騒動のドタバタを、巻き込まれてしまった当時の若手落語家である著者が書いた本。

 

『クララとお日さま』カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳 早川書房 2021.3 978-4-15-210006-1

子どものために、現代だったらスマホみたいに一人1台のロボットを買い与える未来社会が舞台。最新ではないロボットだけれど、魅力的なクララを買ってもらった女の子の物語。カズオ・イシグロの作品はとても好き。

 

今回のブックポーカーで出た質問は「読者対象はミステリー好きか?」「舞台は日本か?」「主人公は男性・女性」「著者は本職の作家?」「ホームドラマ的な作品か?」

「フィクションかノンフィクションか?」「主人公の年齢は若い(30代くらいまで)か中高年か?」「ベストセラーになったか?」「文庫化されているか?」「賞を受賞した作品か?」「著者の性別は?」などでした。嘘はつかないまでも、はぐらかした回答もあり、なかなか誰がどの本かと決着がつかず楽しみました。