だれでも読書会Zoom 報告
日時:2022年2月9日(水) 10:00~11:30 参加費:無料
参加者:7名(会員外2名)
今回はブック・ポーカーという、最初に互いに質問をして最後にどんな本かを種明しするというゲーム形式で行いました。本をよく知っていると推理しやすいこのゲーム。今回は7人中2冊を当てた方がいました!
実際に紹介されたのはこんな本です。
『図書館に行ってくるよ シニア世代のライフワーク探し』近江哲史著 日外アソシエーツ 2003 ISBN:4-8169-1811-6
定年して図書館通いを始めた著者が、利用者の立場で語るエッセイ。自分と重ねて読みました。
『お蝶夫人』(講談社文庫) 瀬戸内晴美著 講談社 1977 ISBN:4-06-131421-1
1910年代に世界的なオペラ歌手になった三浦環がモデル。彼女は最後を30歳近く年下の甥と同棲して暮らした。その甥が瀬戸内晴美に自分の話を小説にして欲しいと持ち込んできたのを書いたもの。ちなみに、彼は同じ話を宇野千代にも持ち込んだ。宇野千代が作品化した『三浦環の片鱗』は『或る男の断面』(中公文庫)宇野千代著 中央公論新社 2011.10 ISBN:978-4-12-205554-4 に収録。元の話が同じであるため、ほぼ同内容。
『朝の音』内海隆一郎著 朝日新聞社 2002.1 ISBN:4-02-257689-8 短編集。30年位前に新聞の日曜版で連載していて、当時読むのが」とても楽しみだった。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレディみかこ著 新潮社 2019.6 ISBN:978-4-10-352681-0 著者の息子さんの子どもの感性がとても魅力的。ヤングアダルト向きだけれども、大人にこそ読んで欲しい。
『モンローが死んだ日』小池真理子著 毎日新聞出版 2015.6 ISBN:978-4-620-10815-5 タイトルにモンローとあるけれどマリリン・モンローの物語ではなく、大人の恋愛小説で、病気の女性とそれに関わる医師の物語でサスペンス。とても面白かった。
『ゲームの王国』上・下 小川哲著 早川書房 2017.8 ISBN978-4-15-209679-1&978-1-15-209701-9
舞台はカンボジア。上巻はポルポト政権時代、下巻は上巻で子どもとして登場していた女の子ソリヤが政治家に、男の子ムイタックが究極のゲームを作ろうとする世界に展開する。
『アカガミ』窪美澄著 河出書房新社 2016.4 ISBN:978-4-309-02460-8 子どもの自殺が増え、若者が恋愛も結婚もしなくなった日本が近未来を舞台として小説。国家のお見合いプロジェクト「アカガミ」が行われ、志願すると本人の家族も、本人が勤めていた職場まで優遇される。「アカガミ」の目的は? 実際にこんな世界になりそうな不気味さ漂う作品。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』『図書館に行ってくるよ シニア世代のライフワーク探し』の2冊を当てた方が勝者になりました。だれが、どの本を推薦しようとしているのかをさぐるために繰り出された質問は「その本はフィクションですか、ノン・フィクションですか?」「舞台は現代ですか?」「作者は日本人ですか?」「作者は日本に住んでいますか?」「ここ10年以内に書かれた本ですか?」など
最後に実は誰の推薦本かの種明しやオススメポイントをおしゃべりして、図書館利用についての話題になりました。「実際に大量の本の背表紙を見られるのが図書館の魅力」「最近、書き込みがある本が多くてガッカリする」「リクエストの順番がなかなか来ない」など情報交換もして終了しました。